2014年9月30日火曜日

なんとかして、読みたい。



「世の中に 物語といふもののあんなるを いかで見ばや」



世の中には物語というものがあるそうだけど、

どうしてかそれを読んでみたいわ



平安時代に菅原孝標女という女性の

13歳から40歳にわたる日記の冒頭部分です。


更級日記 という名で知られています。



都から遠く離れた千葉県の中央部で

彼女は10歳から13歳まで過ごしました。


姉や継母が、まだ彼女が聞いたことない

【物語】 というものについて話しているのを

耳にした彼女は

その 【物語】 をなんとかして読みたい と思うようになるのです。



この文学大好きな少女は

古典の中でも私のダントツにお気に入りの

キャラクターです。




幼いころから、毎晩眠る前に母に絵本を読んでもらい、

お気に入りの絵本は 暗記してしまうほうでした。

字が読めるようになってからは

気づけば毎日のように本を読んできました。


そういえば、字が読める前は

私はどうやって本と触れてきたのだろう。

と思います。



きっと母の声だけで本とつながってきたのでしょう。

本当に母には感謝しています。


かなしいときや、苦しい時もそうだけど

とくに 乗り物に乗っているときと ベッドの中で

本を開いていました。

枕元に、読みたい本を積み重ねて

何度もおんなじ本を読みました。

特に好きな本は、ぼろぼろになってしまいました。


アレックスシアラーの 「魔法があるなら」 は


とくに赤い背表紙が柔らかくなりすぎてしまって

斜めにつぶれてしまったことお覚えています。


この本については、またいつか書きたいと思います。



そうして、少しだけそんな自分と重ねてしまった

彼女の日記には

他にもなんども共感してしまうところがあるのです。




夕霧わたりて いみじうをかしければ

朝寝などもせず、かたがた見つつ

ここを立ちなむことも あはれに悲しきに



夕霧が一面にひろがって とてもすばらしい景色なので

朝寝坊もしないで ほうぼうを眺め続けて

ここを立ち去ってしまうことが

切なくて、悲しくてなりませんでした。



という部分です。

わたしも

空と、海と、夜景と、うごく乗り物からながめるそれらはとくに


いつまでも見ていたいなとおもいます。


すわって見ていると、眠ってしまうのですが



助手席、窓際


わたしはそこに乗せてください。



更級日記にはこんなきすてきな風景描写が

たくさんでてくるところもおすすめです。


最後に

今日であってしまった もふもふのワンちゃん


絵本にでてきそう。



おやすみなさい。



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