2014年11月5日水曜日

まるい素数

念願の 

「ぼくには数字が風景に見える」

を買って読みました。


読み終わるとあたまがじんじんして
目頭があつくなって
涙が出ました。


この本には
きっとアラスカのオーロラのような
人を魅了する世界が描かれています

この本の著者 ダニエル タメットさんは
数字を感じることができます。

その一つ一つが
生き生きと存在して
そして組み合わさって
つくられるいろんな世界を
かれは感じることができます。

彼はサヴァン症候群、そしてアスペルガー症候群です。
彼には細かい部分ははっきりと見えても
行間がよめません。

一つ一つの点は理解できても、それをつなげることができない。

あいまいな雰囲気ともいうような
人間関係は彼にはとても
理解するのがむつかしいものだったようです。


ですが、彼には
数字という友達がいました。


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たとえば、1という数字は明るく輝く白で、懐中電灯で照らされた感じ。

5は雷鳴、あるいは岩に当たって砕ける波の音。

37はぽりっじのようにぼつぼつしているし、

89は枚落ちる雪に見える。

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ため息がとまらない。

読んでいるとうっとりしてしまうような世界がそこにはあります。


彼には数字たちの描く景色が見えて、

そして幸運なことに
余計な飾りのない美しい文章で
私たちにそれを伝えてくれます。

このような共感覚を
(このように数字を見ると、感情や色や風景がうかんできたりと
複数の感覚が連動すること)

私たちに教えてくれるのはごく稀です。

この本にはその
うらやむしかない世界が美しく描かれています。


読み終わった後、100万ケタの
円周率を調べて
数字の羅列を眺めてみましたが
9が6つならぶ ファイマンポイントを
静かに眺めることしかできませんでした。

彼に見えたなめらかな質感の曲線やいくつもの層は
みえてきませんでした。

ただ、想像をふくらませました。
今も、ずっと考えています。
彼が見た π の風景
水色の水曜日
丸いなめらかな小石のような 素数

恋のような気持ちです。

大学の授業でふれる数字の中にじつは 
こんなに豊かな風景が隠れていたなんて
世界には本当にきれいなもので
あふれているのだと思いました。


私には彼のみた世界を
想像するしかないけれど
うっとりと、隠れた世界を想像しながら
毎日大学に行くのがとても楽しくなりそうな

とても満ち足りた気分です。


わたしはいま
素敵な世界を探検しているのだと思いました。

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